老麺とライ麦サワードゥ違い② そして酵母菌の違い
2023.10.30
前回の続きです。
ライ麦でサワードゥを使って食パンを作ってみました。ライ麦サワードゥですがハード系のパンにせず、あくまで発酵種の役割として、老麺種との比較をする意味でも食パンを作ってみました。
サワー種に強力粉を混ぜて数時間、そして、生地を3つに分けて二次発酵、とまあまあ長い時間発酵させましたが、1.5倍以上に膨らみ、そのままオーブンへ。少しハードっぽい感じにはなり、重さもありますが、ちゃんと気泡のあるパンになったのです。やはりライ麦サワードゥは酵母(&乳酸)であり、炭酸ガスが産生しているといえます。
同じサワードゥでも、老麺のバクテリアは水素ガスを産生すると言われ、加熱中に水素ガスを保持しにくい結果となっています。
それにしても、です。
小麦粉と水を混ぜておいておくと、バクテリアが増殖し、酵母は増殖しないのでアルコール発酵はしない。どちらかといえば、果物の皮や種などで酵母液を起こしてからでないと小麦粉を発酵させることはできない。
なのに、ライ麦と水を混ぜておくと、酵母が直接増殖する。これどういうこと?とまず思ったのですが、調べると酵母菌の種類が違うようですね。(そもそもライ麦と小麦粉は全く別物ですが)
①一般的なパン酵母:サッカロマイセス・セレビシエ
②ライ麦サワードゥ酵母:サッカロマイセス・エクシグース
そして
③老麺種 バクテリア:エンテロバクタークロアカエGAO
それぞれの菌が、どの糖をどう分解、資化していくか、で違いがでるのではないかと思います。
で、もう一度戻って、小麦粉でんぷんの糖化過程を考えると・・・
『小麦粉+水 →でんぷん →アミラーゼ(酵素:小麦粉由来)が麦芽糖に分解→・・・・』
酵母は麦芽糖をブドウ糖に分解する酵素(マルターゼ)を持っているにもかかわらず、ここでは酵母菌はつかないのです。まずはバクテリアである小麦粉発酵性細菌園テロバクタークロアカエGAOがついて増殖する。
これはどういうことなのか。たとえば、サッカロマイセス・セレビシエについていえば乳酸菌への耐性がなかったり、単糖類でも果糖の方が好きなのかも、、というあくまで仮説ですが、これ以外にも色々考えらるでしょう。
それぞれの微生物に特徴があり、微生物にもたらされる発酵に違いがあるということを理解することが必要です。 ③につづく