手打ち点心考 熱烈小籠包
2017.04.21
たいへん昔の話になりましが、漫画「美味しんぼ」で読んだ小籠包の回がとても印象的だったので、無性にストーリーを詳細に確認したくなりました。そこでネットで調べたら、すぐわかりました。まずは漫画の電子書籍も色々なサイトで販売されており、気軽に入手して、すぐ読むことが可能です。というわけで、キンドルでポチしました。(小学館では絶版なのでしょうか?)
美味しんぼ第12巻 第7話「熱烈小籠包」
では、話を要約します。
主人公の山岡は、連れていかれた中華のお店(慢々飯店)で食べた小籠包を、「クズ」呼ばわりしました。彼はちゃんとした店に案内することにしました(新々飯店)。
新々飯店の小籠包は中からスープがあふれ出して火傷するぐらいの正しい小籠包で、漫々飯店のものは中のスープがまったく無かったよ、ということが判明しました。
山岡氏は以下の通り解説。
「小籠包を冷凍で作り置きすると、皮の中の水分が冷凍で膨張し、溶けると元に戻ってしまう。冷凍した包子を解凍すると中に無数の穴ができて、スープが流れ出てしまうんだ」
・・あれれ、いまどきの小籠包って、冷凍したぐらいじゃそう簡単にスープは流れ出ないように色々工夫がされてますが。しかも、工場製品なら間違いなく漏れない。少々時代を感じます。
しかし、確かに冷凍すると皮が膨張して、薄すぎると破けてしまったりします。もちろん、冷凍しなくても、加熱中に破けてしまうことはあります。
おそらく、一般家庭では小籠包冷凍はあまりしないでしょうし、むしろ加熱時の膨張で穴が開くことの方が課題かなとも思います。
したがって、もれない小籠包は永遠のテーマで美味しんぼには含蓄が色々ります。
なお、冷凍する場合は少し生地を固めにして、あまり水を入れすぎず、その代わり保湿成を加えて冷凍しても大丈夫なようにします。
時折、小籠包にイーストを入れるという話を伺いますが、山岡さんのいうように生地が気泡ができちゃうからどうなのかなあ?焼き小籠包(生煎饅頭)ならわかりますよ。
ちなみに、中華の老舗では、老麺という発酵生地を使って小籠包の生地を作ることはありますが、あくまで生地の伸びなどをよくするためであって、ひとつの知恵ですね。膨張目的ではありません。
美味しんぼ第7話がいつ発売されたのかはわかりませんが、かなり昔で、まだ日本では点心がここまでメジャーになる前だったのかなと言う感じがします。今は読んでも、いまさらな感じの内容に思います。しかし、あの当時は鮮度の高い情報だったのでしょうね。