計量の誤差について
2024.11.05
点心の生地作りにおける水の計量誤差について書きたいと思います。
餃子などの点心の生地レシピでは、水をml表記にしているケースが多く見受けられます。水なので容積表記は正しいと言えば正しいのですが、当点心教室では粉はもちろん、水も基本的にスケール(重量)でグラム単位で計量しています。
ml表記のままでも、スケールで量っていただければ問題ありませんが、レシピがml表記になっていると、つい計量カップで量りたくなるのではないでしょうか。
計量カップは便利なものですが、目で目盛りを合わせるため、どうしても誤差が生じます。一般的には約5%程度の誤差があり、100gの水の場合、95g〜105gになることがあります。
餃子などの点心の生地は、水の量が1〜2g違うだけでも仕上がりに影響します。もちろん、気温や水温、湿度、さらには製粉メーカーやロットによっても差が出ますが、だからこそ基本の計量は正確に行い、気温や湿度などの条件に合わせて1〜2gの微調整を行います。この微調整も含め、スケールでの計量でないと難しいです。
もし「生地作りがうまくいかない」と感じている方がいらっしゃれば、水をグラムで計量してみると活路が見いだせるかもしれません。
なお、餡の調味料については大さじや小さじなどの容積表示でかまわないと考えています。
計量スプーンや計量カップの発明は、女子栄養大学の創設者である香川綾さんによるもので、家庭料理を手軽にし、料理のレベル向上に大きく貢献しました。もしすべてがグラム計量だったなら、ここまでさまざまな料理が普及しなかったかもしれませんね。