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老麺を食品検査に出しました(老麺の科学①老麺は酵母なのか?)

2020.09.29

お知らせ 老麺

饅頭を膨らませるのに使う「老麺(写真)」は、中国から伝わる元種を発酵し続け使っておりますが、本当に老麺は謎ばかりです。

老麺は、主にはバクテリア(細菌)を使って発酵させるもので、酵母とはちょっと違います。ただし老麺=天然酵母、といっている人は多いです。優秀な酵母菌だけを人工的に抽出したドライイーストとは対極にあり、24時間以上かけ自家発酵、培養させた老麺は「天然」であることは間違いないが、それに代わる適切な言葉がない、というところでしょう。

とはいっても、もちろん、老麺には酵母は含まれているのです。空気中の酵母が付くのです。とはいっても、老麺は酵母でない、と主張する人もいます。(天然酵母菌とイーストと併用して作ったのにも関わらず、天然酵母という名を売りにするパンに疑問を呈する団体も存在し、それはその通りと思いますが)

では、店で長く使っている老麺に酵母がどの程度含まれているか、食品分析に出すことにしました。

結果からいうと、老麺1gあたりの一般生菌数と、酵母数の数にあまり大きな違いはありませんでした。一般生菌数も色々な細菌が含まれているので、老麺の発酵に有効な細菌(たとえば、エンテロバクタークロアカエなど)のようなものに対して、酵母菌がどれだけかの比率かはわかりませんが。

ともあれ、老麺にはかなりの酵母量が含まれている、という事実は判明しました。ですから、天然酵母、と言っても間違いではないと思います。

しかし、老麺内で酵母発酵が有効にされているか、というと、細菌による発酵の量に比べると微量ではないかと思うのです。

写真は発酵した老麺ですが、かなりハチの巣状になっており、ふかふかに発酵しているのがわかります。しかし、成型して蒸してみればわかりますが、これは細菌による発酵がメインで、酵母による発酵は多くない、ということがよくわかるのです。<②に続く>

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